節税

iDeCo(個人型確定拠出年金)

 銀行などの金融機関に行くと必ずと言っていいほど、iDeCoの幟や掲示物を見かけますが、加入可能な人に占める加入率はまだ数%のようで、まだまだ「みんながやっている」という状況には程遠いようです。皆さんも「iDeCoって聞いたことあるけど何なの?」という方が多いのではないでしょうか。この記事では、iDeCoの概要、iDeCoの何がお得なのか、私がiDeCoで実際にやっている方法について説明します。

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは?

 iDeCo(個人型確定拠出年金)とは公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金制度の一つで、加入は任意です。この制度では、自分が掛け金を支払って自分で運用を行い老後のための資産を形成します。

 iDeCoの実施主体は、国民年金基金連合会ですが、運営管理業務を運営管理機関へ、資産管理事務は、事務委託先金融機関に委託されています。運営管理機関とは、簡単に言えば、加入申し込みを受け付ける金融機関で、銀行や証券会社のことです。事務委託先金融機関とは、iDeCoの資産管理事務を行うところで、三菱UFJ信託銀行といった信託銀行が行っています。また、iDeCoの記録関連業務、いわゆる個人別の資産残高の記録管理や運用指示のとりまとめも委託されており、日本レコード・キーピング・ネットワークといった企業が行っています。

 複雑そうな運営形態にはなっていますが、私たちにとって関係があるのは、申し込みをする運営管理機関(銀行や証券会社)で、手続き自体は銀行や証券会社がやってくれます。申し込み後は、記録関連業務を行っている企業のサイトで運用状況を確認することになりますが、これも申し込みをした銀行や証券会社のサイトからリンクでつながっているので、クリックしてパスワード等を入力するだけです。

iDeCoのメリットとデメリット

 iDeCoの最大のメリットは節税です。「掛け金が全額所得控除」「運用益が非課税」「受け取り時の控除」の3つの控除を受けることが可能です。

 メリットだけでなくデメリットもあります。デメリットには、「60歳以降でないと引き出せない」、「手数料が結構高い」、「元本割れリスクがある」といったものがあります。目的が老後資産形成のためなので、「60歳以降でないと引き出せない」というのは仕方がないですが、「手数料が結構高い」というのはもう少し何とかならないものかと思います。「元本割れリスクがある」については、iDeCoの運用商品には定期預金、保険といった元本確保型のものもあるので、こういった運用商品を選択すれば避けられます。

 このようなデメリットもありますが、ほとんどの人にとって、メリットによる利益のほうが大きいのではないかと思います。

iDeCoに加入できる人

 iDeCoができた当初は、iDeCoの加入条件は非常に厳しいものでしたが、現在では60歳未満の方であればほとんどの人が加入できます。また、2022年5月にはさらに加入条件が緩和され65歳未満の方のほとんどが加入できるようになります。

 詳しくはこちらのサイトをどうぞ

iDeCoで選択できる運用商品 

 iDeCoでは、申し込みをした銀行や証券会社が用意する運用商品で運用を行います。運用商品には「元本確保商品」「投資信託」があり、前者には定期預金や保険商品、後者には債権、株式、不動産の投資信託が用意されています。

 ネットなどでは、米国株の投資信託が運用商品の選択でおすすめされていることが多いですが、個人的には、運用商品の選択は個人の自由にしてでいいのではないかと思います。少しぐらい損をしても、税控除のメリットのほうが大きいと考えるからです。ただ、気を付けるべきは、手数料は安いもの(0.2%以下)のほうが良いと思います。

私のiDeCo運用

 私はiDeCoをいつも利用している地方銀行で開設しました。通常は手数料の安いSBI証券等のネット証券で開設することがおすすめされていることが多いのですが、私はあえてこのような選択をしました。なぜなら、数十年後に私がインターネットを使用できる能力を維持できているかどうかがわからないからです。

 iDeCoの場合引き出しができるのは特別な理由がない限り60歳以降となります。普通iDeCoを開始するのは引き出し予定の数十年前になるでしょうから、数十年後に今と同じ状態でいられない可能性もあることを想定すべきだと考えたのです。

 もちろん、今の60代はまだまだ元気な方が多いですから、ほとんどの場合ネット証券を使用するのに問題はないでしょう。しかし、それまでに病気をしたり、事故にあったりすることもあると思います。最悪の場合死亡していることもあるでしょう。このようなときに、問い合わせのできる店舗のある金融機関であれば、家族が相談に行くことも可能だと考えたのです。このためにかかる手数料は、税控除のメリットで相殺できるとも考えました。

 運用商品は不動産投資信託を選択しました。私の場合、iDeCoを開設する以前に株式や債券の投資信託の積み立ては開始していましたし、資産の中には外貨もそれなりにありました。iDeCo開設時に持っていない資産は不動産投資信託だけだったので、全世界不動産投資信託を選択しました。

 iDeCoは2017年に口座を開設して以来、毎月1万円の積み立てをしています。一時、コロナショックで30%程度の含み損も抱えましたが、現在では約30%の含み益が出ています。引き出しができるまでにまだ十数年ありますので、引き出し時には数百万円にはなっているんではないかと期待しています。

iDeCoのわかりやすい解説は以下の両学長リベラルアーツ大学の動画をどうぞ。



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