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私が資産形成を始めたときは、NISAやiDeCoといった制度もなく、ネット証券も開設されたばかりで、今ほど資産形成の環境が整っているとは言えない状況でした。
今では、ネットに資産形成方法の情報があふれ、一見、資産形成が簡単に始められる環境になったようにも見えますが、情報が多くありすぎて何から始めたらいいのかわからない方も多いでしょう。
この記事では、私が今の状況から資産形成を始めるとしたら、どのように始めるかを考えて紹介したいと思います。
この記事は、資産形成を始めるときの参考になると思います。
まずは資産形成の方程式を見直す
資産形成の基礎である資産形成の方程式を見直します。
そして「節約をして、お金を貯めて、そのお金で資産運用をする」というのが資産形成の唯一の方法であることを確認します。
お金を整理する(銀行口座を仕分けする)
銀行口座を仕分けします。
銀行口座を「日常で使うお金用の口座」、「貯金のための口座」、「投資資金のための口座」の3つに分けて、お金の動きを把握しやすくします。
投資のための種銭を貯める
資産形成のためには、投資が必須なので、投資をするための種銭を貯め始めます。種銭を貯め始める前には、積立用の口座を開設すると良いと思います。積み立て用銀行口座の選択はこちらの記事を参考にして下さい。
種銭の貯め方は月10,000円の積み立てです。この積立は毎月の給料日に行います。
以前はこの積立のほかに小銭貯金を勧めていたのですが、どの金融機関も小銭の預け入れに高い手数料を取るようになってきたので今はお勧めできません。
種銭がある程度貯まるまでにすること
毎月1万円の預金である程度の種銭を貯めるまでには1年から1年半の時間がかかります。この期間に、ただ種銭が貯まるのを待っているのではなく、将来の備えを始めます。具体的には、これまでの生活レベルを落とさないで支出を減らす戦略と将来の株式投資のための勉強です。
生活レベルを落とさないで支出を減らす戦略
1.税金について勉強する
「金持ち父さん、貧乏父さん」で有名な投資家のロバート・キヨサキ氏は、「税金はあなたにとって最大の支出だ」と言っています。税金について学び、適切な節税ができるようになれば、給与の手取り金額を増やすことができます。まずは、ファイナンシャルプランナー3級向けの資格本を繰り返し読みます。3級向けの資格本には個人の人生におけるお金に関する知識の基本が詰まっており、何度も読む価値があると思います。ちなみに、おすすめは以下の本です。
サラリーマンが支払っている税金には、基本的に所得税と住民税があるわけですが、税金は、10種類の所得の合計から、14種類の所得控除を差し引いた課税所得にかけられますので、税金を安くするには「使える控除はすべて使って課税所得額を下げる」ことが必要になります。使える控除を一つ一つ確認して、見落としている控除がないかを確認する必要があるのです。
2.ふるさと納税を活用できないかを考える
ふるさと納税は、寄付金控除なので、控除される金額が、ふるさと納税として家計から出て行くわけで、家計の負担が軽くなるわけではありません。ふるさと納税のお得さは、ふるさと納税のお礼品にあります。普通、所得税や住民税を支払ってもお礼品が届けられることはありませんが、ふるさと納税を支払うと、その地方の特産物をお礼としてもらえるのです。日常的に使用し、保存が利く米、野菜、豚肉、鶏肉等がたくさんもらえる自治体にふるさと納税をすれば、毎日の食費を節約することができます。
ふるさと納税についてはこちらの記事をどうぞ。
3.ポイントの活用を考える
ポイントを活用していけば、年収の1~3%程度(年収400万円であれば、4万円~12万円分程度)はポイント交換することができ、ポイントを新たな生活費として活用することが可能になります。つまり、ポイントの分だけ生活費が圧縮でき、投資のための資金を捻出することが可能になります。
ポイントを効率よく活用するためにはクレジットカードとキャッシュレス決済の使い方が肝になります。
クレジットカードの使い方についてはこちらの記事をどうぞ。
キャッシュレス決済についてはこちらの記事をどうぞ。
ポイントの活用法についてはこちらの記事をどうぞ。
4.職場に弁当とお茶を持参する
お弁当とお茶を職場に持参するメリットは、昼食代の支出を減らすことができるというのはもちろんなのですが、昼食時に食堂やコンビニに行く必要がなくなるので、昼休みの時間を有効に使うことができるようになります。
お弁当とお茶を職場に持参すると、お金の減るスピードが非常に遅くなります。昼食時に外出してコンビニに行けば、弁当以外のものも購入しがちになるので、お弁当とお茶の持参は、コンビニでの無駄遣いの予防にもなります。
弁当を持参することが難しければ、お茶だけでも持参するとよいと思います。お茶だけでも持参すれば、職場でお茶や水を購入する機会を減らすことができます。
実際、私は、サーモスの魔法瓶に、インスタントのお茶を溶かして入れて持参しています。サーモスの魔法瓶を使用することで、冬は熱いお茶を、夏は冷たいお茶を夕方まで楽しむことができます。
5.スマホや車は本当に必要か?
まずは、スマホが今の生活に本当に必要なのかを考えます。
スマホは安くなったとはいっても、従来の携帯電話(ガラケー)より保有にかかる料金が高いです。私自身が、スマホを持ち始めたのは、ある程度の不労所得が得られるようになってからです。
スマホは、便利が良いとは言っても、作業をするには中途半端ですし、緊急の連絡は基本的に音声通話でしますから、ほとんどの人には絶対に必要なものというものではないと思います。私は現在スマホを所有していますが、所有する理由は、出張の際に乗換案内とGooglemapを使用したいという理由からで、SNSなどは全く使用していません(実際SNS関係のアプリは邪魔なので削除しています)。
個人的には、携帯電話というものを本当は持ちたくないという考えなのですが、今の時代、緊急の連絡手段を持っていないのは職場に迷惑がかかるので、しかたなく持っているというのが実情です。
今一度、今の生活に本当にスマホが必要なのかどうかを考えてみるといいと思います。ガラケーで十分と考えられるのであれば、生活費を圧縮することが可能です。
次に車の所有について考えてみます。
車を所有のためには多額の税金の支払いが必要になります。車両を購入する際の車両価格や登録手数料にかかる消費税、自動車取得税、自動車重量税、自動車税、さらには燃料のガソリンに石油税、ガソリン税、消費税がかかっています。また、車の所有には、自賠責保険、任意保険、車検、駐車場等の代金もかかってきます。高額な車両価格に加えて、所有にこれだけのコストがかかるのです。
ある程度の都市部に住んでいるというのであれば、日常の移動手段として、バス、電車、タクシーの利用を考えてはどうでしょう。公共交通機関による移動をすれば、移動時間を読書、休憩といったことに利用できるというメリットもあります。確かに、車を所有していれば、移動が容易になり、行動範囲が広がるというメリットはあるのでしょうが、年間30~50万円かかるとされる維持費に見合うものであるかどうかはよく考える必要があります。
私も過去には車を所有していたのですが、資産形成すると決めてから車の所有を辞めました。実際、車の所有を辞めてからは、資産形成のスピードを飛躍的に上げることができるようになりました。ある程度の資産ができた現在は、また車を所有しようかと考え始めていますが、別になくても困っていないというのが実情です。
車の所有は、ある程度の資産がたまってから始めてもよいのではないかと思います。
将来の株式投資のための勉強
資金を運用するには、株式、債券、為替、不動産等様々な方法がありますが、数十万円で効率よく運用していくには、方法が限定されます。私がお奨めするのは株式投資です。株式投資というと、高額な資金を運用して、株価の動きを一日中、監視して取引を行うというようなことを想像するかもしれませんが、私がお奨めするのは、配当と株主優待を目的とした長期で運用する株式投資です。株主優待生活で有名な個人投資家の桐谷広人さんは、株主優待で日常生活のほとんどを賄い、現金をほとんど使わない生活をしているそうですが、そこまで行かなくても、少しずつ株主優待がもらえる株の保有を増やしていけば、生活費の支出は少しずつ減っていきます。
ただ、株式投資は、元本保証もありませんし、株価も日々変動しますので、ある程度のリスクはあります。そこで、株式投資をするにはある程度の勉強は必要になります。書店に行けば、様々な株式投資についての書籍がありますが、「数年で数億円稼ぐ」といった本ではなく、簡単な株の入門書を数冊購入(お薦めの投資本はこちらの記事)して、PER、PBRといった専門用語の意味や、企業の決算書の読み方の基本を勉強するとよいと思います。
また、本だけではなく、ZAI ONLINEやYahooファイナンス等のサイトにもわかりやすい記事がたくさんありますので、少しずつ興味のあるものから読んで行くとよいと思います。
投資のための種銭が貯まったら
1年くらいすると10数万円程度の種銭が貯めってくると思います。種銭が貯まってきたら、とりあえず証券会社の口座の開設を行います。ネット証券の口座の開設であれば、一月ぐらいでできると思います。
まずはiDeCo
開設した証券口座でまずはiDeCoを始めます。iDeCoを最初に始める理由は、iDeCoは掛金が全額所得控除されるので、課税所得が減り、当年分の所得税と翌年分の住民税が軽減されるからです。
このため、iDeCoでは、少しぐらいの損が出ても、全体で考えれば、利益が出ているという状態にできると考えています。
余裕ができたらNISAも始める
投資金額に余裕ができたらNISA口座を開設します。NISA口座で購入するのはインデックス型の投資信託と高配当・優待の株式銘柄です。
高配当・優待の株式銘柄を選択するのは、それなりの勉強が必要なので、始めはインデックス型の投資信託を積み立てで毎月購入していけば十分だと思います。積立額は1,000円でも2,000円でも構わないと思います。
高配当・優待の株式銘柄は100株が10万円以下の銘柄から少しずつ購入していきます。私が初めて買った銘柄はビックカメラです。購入当時の株価は700円ぐらいでした。この銘柄は今も保有しており、毎年数千円の優待と配当をもらい続けています。この優待は、ビックカメラで日用品を購入するときに使用し、家計の節約に役立てています。
ここまで来たらあとは自由に資産形成をしていく
ここまでの資産形成の方法で資産は1,000万円近くにできると思います。資産が1,000万円以上になってくる時期には投資の知識もそれなりについてくると思いますので、目標を見直しながら自由に資産形成していけば良いと思います。
私の場合は、資産が1,000万円を超えた頃に米国の高配当株と高配当ETFの購入を始めました。