投資

私の高配当株の選び方

 株式投資で得られる利益には、株価の値上がりによる利益配当金による利益があります。資産を大きく増やすには、株価の値上がりによる利益を狙うほうが良いと言われます。これは、株価が2倍、3倍になるのは特に珍しいことではなく、場合によっては10倍になることもあるからです。しかし、株価が上昇する銘柄を探すのは難しいですし、確実に値上がりする銘柄を知ることは誰にもできません。一方、配当金による利益は、株価の数%ではありますが、企業の利益が出ていれば、定期的に現金を得ることができます。さらに、配当金を目的にした株式投資では、適切な株式を購入すれば、売り時を考える必要はなく保有し続けるだけでよいので非常に楽です。

 この記事では、そんな配当金を比較的多く得ることができる高配当株の選び方を説明しています。この選び方は、あくまで私の方法ではありますが、それほど特殊なことをしているわけではないので、皆さんの高配当株投資のお役に立てると思います。

そもそも配当金とは何か

 配当金とは、企業が得た利益を株主に分配するもので、通常は現金で支払われます。企業によって支払われる金額は異なり、企業の経営状態が悪いと支払われないこともあります。

 配当金は1株あたりの金額で提示され、1株あたりの配当金が5円の株を100株持っていると、500円の配当金がもらえます。

配当金の魅力

 配当金の魅力は、株式を保有し続けることで、定期的に現金を受け取ることができるところにあります。

 株価の値上がりによる利益を得る場合は、株式を購入した後に売却の時期を考えなくてはなりませんし、定期的に利益を出すことは非常に困難です。但し、株価の値上がりによる利益は、短期間で資産を数倍に増やすことが可能です。

 しかし、配当金である程度の資産を増やすことは可能です。株価の数%の配当金であっても、配当金を利用して再度投資を行えば、時間はかかりますが、資産を2~3倍にすることは可能です。さらに、保有期間中に配当金が増えたり、株価が上昇したりすることもあるので、その場合はさらに資産を増やすことができます。

 ただ、逆に、保有期間中に配当金が減ったり、株価が下がったりすることもあるので、なるべくそういうことが起こりにくい銘柄を選択することが必要です。

私の高配当株の選び方

高配当株に求めるもの

 私が高配当株に求めるのは、私が生きている間は潰れない企業の株式です。私の高配当株投資の目的は、定期的に、長期にわたって現金を受け取るということなので、最低限この条件をクリアしている銘柄を選択します。

潰れない企業の条件

 企業が潰れる要因で最も多いのは、財務的な問題です。簡単に言えば、お金が回らなくなって、取引先に代金が払えなくなったり、社員に給料が払えなくなったりしたときに企業は潰れるのです。

 代表的な潰れる財務的要因は有利子負債(借金)の多さです。有利子負債の多い企業は、日々の資金繰りを銀行からの借金に頼っています。しかし、業績が低迷すると、銀行は急にお金を貸してくれなくなり、さらに貸していたお金を回収しにかかります(いわゆる貸しはがしです)。

 この有利子負債は四季報で知ることができます。四季報(SBI証券より)の財務のところを見ると下の図のような欄があります(これはKDDI(9433)の財務の欄です)。

 ここに有利子負債の欄があります。この有利子負債の金額とその上にある利益剰余金の金額を比較します。利益剰余金は、これまでに会社が稼いだ利益が貯まっているものです。KDDIでは、有利子負債<利益剰余金という状態になっていることがわかります。つまり、KDDIは、借金はあるけれども、返済しようと思えば、いつでも利益剰余金で返済することが可能な会社なわけです。

 この図でもう一つ注目すべき欄があります。自己資本比率です。資本というのは事業をするのに必要なお金です。一般的に企業は、事業に必要なお金を、借金したり(負債)、株式を発行したり、これまでの利益を貯めたり(自己資本)して調達しています。この調達したお金の総額を総資本といいます。自己資本比率は、総資本のうちの返済の必要がないお金の割合を言います。

 自己資本比率は会社経営の安定性を示す数値で、自己資本比率が高いほど安定性が高いと言われています。一般的に安定的な経営に自己資本比率は最低30%以上必要で、40%以上あるのが理想的といわれています。

 KDDIの財務では自己資本比率が40%以上ありますので、非常に安定的な経営がされている会社だと予想できます。

高配当が出せる企業の条件

 配当金は、利益剰余金を原資に支払われます。利益剰余金というのは、これまで企業が稼いだ利益の累積です。したがって、利益が出ていない企業では配当金は出せないのです。

 下の図(SBI証券より)は、KDDIの売上高(青の棒グラフ)と当期利益(最終的に企業の手元に残る利益)(紫の線)のグラフです。このグラフで、KDDIでは売上高と利益が年々上昇していることがわかります。このような企業では、配当の原資となる利益剰余金が増えていくので、安定的に配当金を出すことができます。

 KDDIのように毎年の売上高と利益が増え続けている企業というのはあまりありませんが、少なくとも、売上高と利益が減っていっていない企業を選択する必要があります。

割安な高配当株を狙う

 株式を購入するなら、できれば割安な値段で購入したいものです。購入しようとしている銘柄の株価が割安かどうかを見分けるために、PER、PBR、理論株価を確認しています。

PER

 PERとは一株当たりの当期純利益に対して、一株当たりの株価が何倍であるかを示す指標です。一株当たりの当期純利益というのは、ある年の当期利益を企業の発行株式数で割って求められます。

 例えば、ある企業が1年で1万円の利益を出し、発行株式数が100株であれば、一株当たりの当期純利益は100円になります。この時の企業の株価が1株1,000円であればPERは1,000(株価)÷100(一株当たりの当期純利益)=10でPER=10ということになります。

 このPERという値は計算しなくても下の図(図の右下)に示すように、Yahooファイナンスなどを見れば、参考指標のところに書いてあります。

PBR

 PBRとは一株当たりの純資産に対して、一株当たりの株価が何倍であるかを示す指標です。一株当たりの純資産というのは、ある年の純資産額を企業の発行株式数で割って求められます。

 例えば、 例えば、ある企業が1万円の純資産を持っており、発行株式数が100株であれば、一株当たりの純資産は100円になります。この時の企業の株価が1株1,000円であればPBRは1,000(株価)÷100(一株当たりの純資産)=10でPBR=10ということになります。

 この値も上の図(図の右下)に示すように、Yahooファイナンスなどを見れば、参考指標のところに書いてあります。

理論株価

 理論株価とは、企業の業績や財務情況から算出された株価です。この株価は、採用する数式によって違う値が出てくるので、調べる媒体によって違う値が示されています。したがって、この価格は参考値程度です。私は、手っ取り早く確認できるみんかぶの値(株価予想のタブのところをクリックすると下のほうに出てきます)を参考にしています。

これらの数値でどう判断するか?

 PERとPBRについては、企業の業種によって割安の基準が異なるので、これらの値については、ここ数年の推移をみるようにしています。証券会社の業績分析のページには、下の図のようなPERとPBRの推移のグラフ(SBI証券より)が載っています。このグラフを見て、PERとPBRが過去に比べて低い位置にあるなら、割安と判断しています。

  理論株価については参考程度ですが、理論株価より安ければ割安と単純に考えています。

配当が高すぎないか?

 配当は高ければよいというものではありません。あまりに多くの配当が出されている状態では、企業の経営に必要な資金がなくなってしまいます。

 配当を出しすぎていないかを見るのが配当性向です。

 配当性向とは、純利益の中から、配当金をどのくらい支払っているかをパーセンテージで表したものです。配当金÷一株当たりの当期純利益×100で求められます。

 例えばある企業が一株当たりの当期純利益が100円で、50円の配当を出したとすれば50÷100×100=50で50%の配当性向となります。

 配当性向の値は、示されていないことも多いので、自分で計算する必要があります。一株当たりの当期純利益はYahooファイナンスではEPSというところに書いてあります。配当金は一株配当のところに書いてあるので電卓で計算すればすぐに出てきます。

 一般的に適切な配当性向は30%以上40%未満程度といわれていますので、この範囲に収まらない銘柄は避けるべきと考えています。

まとめ

私の高配当株の選択基準は

  • 有利子負債<利益剰余金
  • 自己資本比率が30%以上
  • 売上高と利益が減っていっていない
  • PER、PBRがここ数年で低めの値
  • 理論株価より安い株価
  • 配当性向が30%以上40%未満程度

 というものです。他の方はこれらに加えて営業利益率やキャッシュフローとかを見るように勧めていますが、あまり見るものが多くても面倒くさくなってくるので、この程度の指標で判断しています。

これらの投資指標の詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。



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