先日の記事では、株式投資を始めるための基礎知識を得るための書籍を紹介しましたが、株式投資を始めてある程度の時間がたつと、もう少し基礎知識を固めたいと思う人も出てくると思います。そんな人たちのために、お薦めできる2冊を紹介します。
これらの2冊は、最低限の知識と銘打たれてはいますが、内容は非常に濃いものがあり、さらっと一度読んだだけで、すべてをマスターすることはできないでしょう。最低でも3回は読み、必要に応じて読み直すことが必要だと思います。ただ、この2冊が理解できれば、「投資の記事や動画を見ても理解できない」ということはなくなります。
この記事で紹介する2冊は、株式投資の基礎知識を仕上げるための2冊です。基本的に、これらの2冊がマスターできれば、個人投資家としてこれ以上の知識が必要になることは少ないでしょう。
株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書
この書籍の表題にあるファンダメンタル投資とは、ファンダメンタル分析を基にした投資です。ファンダメンタル分析とは、決算や成長率、収益率など、さまざまな指標を基にして企業の価値と株価を比較検討することをいいます。
ファンダメンタル分析は企業の価値を、企業の業績や財務状況をもとに分析するので、購入する銘柄選択時の参考になります。つまり、株価が予想される企業価値よりも安い銘柄は購入を検討する価値があるということになります。
この本は、他の投資関係の本に比べ、内容に派手さはありませんが、しっかりとした堅実なファンダメンタル分析の方法について書かれています。
現在、株式を売買するための情報は、ありとあらゆるところに溢れていて、個人投資家が網羅することは非常に難しく、また、得られる情報の量と質は、プロの投資家にかなうはずがありません。
本書は、個人投資家でも手に入れられる、四季報や決算短信の情報を利用した株式銘柄の選択の仕方を説明しています。
株式を売買するための情報が多ければ、株式投資で儲かるというわけでもないので、この本で説明されている指標をしっかりと見極めることができれば、株式投資で大きく失敗することは少なくなると思います。
株価チャートの教科書
株式投資での銘柄分析には、ファンダメンタル分析とテクニカル分析があります。テクニカル分析とは、株価の値動きを示す株価チャートを利用して、今後の株価を予想する手法です。本書は、テクニカル分析を利用して、株式の売買のタイミングを計る方法を説明しています。
株価チャートには、色々な分析方法がありますが、結局のところ、株価が上がるかどうかは誰にもわかりません。つまるところ、どんな難しい分析をしても確実な予想ができないのであれば、そこを極めたところであまり意味はないと私は考えています。
その点この本で説明されている、株価チャートの分析法は、基本的に移動平均線を利用して、株価が上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのかを判断し、株式の売買のタイミングを計るというシンプルな方法を説明しています。
私は、株価チャートの分析法は、この本以上のものは基本的に必要ないと考えています。