UnsplashのGrant Beiruteが撮影した写真
最近はテレビでも特集されることの多い会員制スーパーのコストコ。巨大な倉庫型の店舗で大容量の食品や日用品が購入できるのがコストコの魅力の一つです。
コストコは1999年、福岡県に日本一号店をオープンして以来、店舗数を拡大し、今では全国に30店舗以上が開店しています。
私は、コストコが福岡県に日本一号店をオープンしたときに、たまたま、福岡県に住んでおり、物珍しさもあって会員になりました。ですから、私のコストコの会員歴は20年以上で、恐らく、現在、雑誌やブログでコストコを紹介している方々よりも、コストコの利用歴は長いと思います。
しかし、最近では、「コストコは言うほど安くないのではないか」という意見もあります。実際に、私も「コストコは安売りのスーパーではない」と考えていますが、使い方によっては、とても便利で、買い物をレジャーにできるスーパーだと考えています。
この記事では、私のコストコに対する考え方と利用法について紹介します。この記事で、「コストコの会員になったほうが良いかどうか」の判断材料の一つが提供できればと思います。
コストコの経営の仕組み
会員から徴収する年会費が利益の源泉
会員制スーパーのコストコを利用するには、年会費を納める必要があります。年会費はゴールドスター会員(個人)が4,840円(税込)、ビジネス会員(法人)が4,235円(税込)、エグゼクティブ会員が9,900円(税込)です。
実は、コストコでは、会員から徴収する年会費が利益のほとんどを占めていると言われています。商品の原価率は約90%で、商品の売り上げではほとんど利益がでない仕組みになっています。
絞られた商品数
何でも売っているように見えるコストコですが、商品数はそれほど多くありません。例えば、普通のスーパーでは、同じ商品でもいくつか種類が選べるように、様々なメーカーの商品が売られていますが、コストコでは1種類の商品しか置いていないということがしばしばあります。
これは、商品数を絞ることで、1商品あたりの取引金額を大きくし、コストコの価格交渉力を強くして、商品を安価に仕入れられるようにしているからです。また、商品数を絞れば、物流の管理コストも下げることができます。
コストコにとって都合の良いお客と都合の悪いお客
コストコの経営の仕組みから考えれば、コストコにとって都合の良い顧客は、年会費を払ってあまり買い物をしない人で、コストコにとって都合の悪い顧客は、年会費を払ってたくさん買い物をする人になります。
ですから、「年に数回しかコストコで買い物をしない」、もしくは、「それほどコストコで商品を購入しない」という人には、コストコは割高になると考えられます。
コストコがあまり安くないと感じる理由
年会費が必要
コストコがあまり安くないと感じる最大の理由はこれでしょう。スーパーを利用するのに、年間約5,000円が必要なのですから。普通のスーパーであれば、5,000円で結構なものが購入できます。
ただ、私の記憶では、コストコが福岡に初上陸したときの、個人会員の会費は約7,000円だったような気がします。ですから、この当時のコストコは、土日に行っても人は少なく、レジに行列ができることもなく、とても快適に買い物ができていた記憶があります。
コストコが込み始めたのは、コストコが、「ワンデーパス(1日券)」という無料招待券を配り始めたころ(開店してから1年後くらいから始まった記憶があります)からで、その後、年会費の値下げが行われ、現在のような混雑が起こるようになったと記憶しています。
ほとんどの商品が大容量
アメリカの買い物スタイルを提供しているコストコでは、ほとんどの商品が大容量です。その大容量の程度もアメリカ基準なので、日本の大容量とはケタが違います。
大容量は買い置きにはいいのですが、日持ちのしない食品では余らせてしまったり、多くのストックがあるというので無駄に使ったりしたりということが起こります。
コストコに行くには何らかの交通機関もしくは車が必要
ほとんどのコストコの店舗は、都市部ではなく郊外にあります。ですから、コストコの店舗に行くには、何らかの交通機関もしくは車が必要になります。
ただ、基本的にコストコは、大きな車で来て、大量の大容量商品を購入して帰るというアメリカ式の買い物スタイルを踏襲しているので、公共交通機関で買い物に行くというのは現実的ではなく、自家用車で行くというのが基本になります。
近所のスーパーの買い物であれば、自転車でちょっと行けば済みますから、コストコの利用には、行くだけでもお金がかかると言えます。
コストコのメリット
商品が大容量なのでまとめ買いが可能
現在、私がコストコを利用している最大の理由がこれです。
特に、洗剤やトイレットペーパーが、2か月分程度、一度に購入できるというのは、非常に魅力的です。普通のスーパーでこういったものを購入すると荷物がかさばりますし、洗剤なんかは、それなりに重いので、できるだけ購入する回数を減らしたいのです。
ただ、コストコで購入する洗剤やトイレットペーパーは、本当に大容量なので、こういった購入の仕方をするには、それなりのストック場所を自宅に用意する必要があります。
海外の商品が購入できる
最近は、コストコでも国内の製品が多くなりましたが、当初は、置いてある商品のほとんどが海外製品でした。洗剤なんかも花王のアタックではなくP&GのTideやCascadeといったものが主力で置いてありました。
私は海外の製品(特に北米の製品)が好きなので、始めにコストコの会員になった理由は、北米で販売されている製品が購入できるというものでした。
最近では、コストコ以外でも海外製品が比較的手に入れられるようになってきたので、このメリットは薄れてきて来ていますが、今でも、時々、他では売っていない海外製品を見かけることがあります。
ほとんどの商品で返品や交換が可能
コストコは、商品の返品にかなり寛容です。日本では返品が断られる食品でも、賞味期限以内であれば返品できます。これは、年会費を支払っているからできることなんだと思います。
昔は、ほとんど制限なしに商品の返品ができたのですが、この制度を悪用する人もいるようで、現在では、以下のような制限がついています。
- 家電は購入してから90日間まで
- 食品は賞味期限内
- 調剤薬、ガソリン、金券は返品不可
これらの返品条件は、店舗のマネージャーの裁量で違うこともあるようなので、返品については、カスタマーセンターに連絡してから返品をするようにしたほうがよさそうです。
私自身は、この返品制度を利用したことはないのですが、大容量の商品を購入して、不満を持ちながら長期間使ったり、捨てたりするよりは、返品制度を上手に利用したほうが良いと思います。
買い物をレジャーにできる
日常ではみられないような大容量の商品を、交通費と入場料(年会費)をかけて購入しに行くのがコストコなんだと思います。
これは、簡単に言えば、買い物で非日常を味わうということですから、もはやこれは、買い物ではなく、レジャーなのです。
私が考えるコストコの上手な利用方法
コストコは安売りの店ではない
まず、前提として、コストコは安売りを目指しているスーパーではありません。ホームページには「高品質な優良ブランド商品をできる限りの低価格にて提供する会員制倉庫型店」と説明されていて、販売対象の商品は、あくまで、高品質な優良ブランド商品なのです。
一般的に、高品質な優良ブランド商品は。それなりの値段がしますが、コストコはこういった商品を、他店よりも低価格で提供すると言っているだけで、安値を追求した商売をするとは言っていないのです。
従って、いくら安く仕入れられる商品があっても、コストコが納得する品質でなかったら、コストコでは販売されないのです。
コストコを利用するにあたっては、コストコは商品の安値を追求するスーパーではないということを知っておく必要があります。
購入するのは保存ができるものと他の店では買えないものに絞る
コストコでは、大きなお肉や大量のパンが目を引きますが、コストコで購入すべき商品は、長期に保存が可能な、洗剤、トイレットペーパー、キッチンペーパーです。
特に、洗剤は、洗剤の自動投入ができるタイプの洗濯機を利用していれば、一度の洗濯で使用する洗剤量は一定なので、大量に保存してあっても無駄に使ってしまうということはなく、一度購入すれば、数か月は持ちます。
また、お勧めなのはキッチンペーパーです。このキッチンペーパーは大きくて厚みがあるので、水で濡らして使い捨ての雑巾代わりに使えますし、もちろん本来の用途である水切りや油吸いにも利用できます。この商品も大容量なので、一度購入すれば、数か月は持ちます。
さらに、コストコでは、他店では購入できない海外製品が売られていることもあります。ただ、ご多分に漏れず、こういった商品も大容量なので、気軽に「ちょっと買ってみようか」とはならないのですが、あまりに気になるようなら思い切って購入してみるのもよいでしょう。
コストコでの買い物はレジャーと考える
コストコでの買い物は、非日常的な部分が多いので、完全にレジャーです。これは、日本だけではなく、北米でも同じです。
私は、仕事の関係で、北米に住んだことがありますが、北米でも街中であれば、日常の買い物は近所のスーパーで済ませます。コストコのような場所での買い物は、週末にドライブがてら家族と行くという感じです
まとめ:コストコの会員になっても良い人とは
これまでの話をまとめると、コストコの会員になってもよい人とは、
- 自宅の近くにコストコがある(行くのに時間がかからない)。
- 自宅に大容量の商品がストックできる場所がある。
- コストコでの買い物をレジャーと割り切れる。
ということになると思います。
結論として、コストコは、決して節約生活に向いた店とは言えませんが、コストコでの買い物を非日常が味わえるレジャーにお金を使っていると考えれば、それほど高いものではないと思います。